新しいみらいへの食卓提案 ふくしまのつくり手紹介

大堀相馬焼は、福島県双葉郡浪江町大字大堀一円で生産される焼物の総称です。
江戸時代の元禄年間に、中村藩士の半谷休閑が大堀(浪江町大堀)で陶土を発見、下男の左馬に命じて日用雑器を焼き始めたのが始まりです。

しかし、2011年3月の福島第一原子力発電所事故により、強制退去を余技なくされ、大堀相馬焼(浪江町)の窯元は、故郷を離れざるをえませんでした。
移転先の土地に合わせ独自に調合したり、新しい粘土を調達・配合したりと新天地にてそれぞれの個性が芽生えてきました。

そして現在、大堀相馬焼きは新天地の産物と共存共栄し、新たなブランドへと生まれ変わろうとしています。
これまで培った伝統的な大堀相馬焼の技術と、各窯元の個性を生かした食器はテーブルウエアのひとつとして愛され、窯元達は日々創作活動に邁進しています。

  • あさか野窯
  • 京月窯
  • いかりや商店
  • 春山窯
  • 半谷窯

あさか野窯

当主:志賀喜宏氏

志賀さんは、大堀相馬焼窯元「岳堂窯」の16代目です。被災したあと、以前から会った人の印象や風土に魅かれていた、郡山を新天地に決め、2014年5月にその土地の名称を使った「あさか野窯」を開設し新たなスタートを切りました。これには、郡山という風土、自分たちを受け入れていただいた土地に感謝の気持ちを込め、これからは郡山の風と匂いを感じ馴染みながら、あさか野窯の初代としてゼロからのスタートをするという決意が込められています。その土地に暮らし、地元の原料を使ってこそ伝統工芸であるとの思いから、地元郡山の粘土を伝統的な大堀相馬焼きの技法と融合させて作品を作成し、まったく新しい郡山の焼き物として、地域を代表する物産品を生み出すことで、郡山という土地、そこに住む人たちへの恩返しと考えています。

京月窯

当主:近藤京子氏

近藤さんは、大堀相馬焼7人衆の近藤弥ヱ門の名跡を継ぐ大堀相馬焼窯元「京月窯」の15代目です。福島市内のフルーツラインにある、のんびりとした佇まいにある、築120年の古民家を改装した趣のあるギャラリーには、女性特有の繊細さや風合いに満ちた作品が並んでいます。女性窯元ならではの作風は、感性の高い女性から圧倒的に支持され、その人柄からも何度も訪れたくなるギャラリーとして、地域の皆様を温かくお迎えしています。2017年2月に、参考出品したテーブルウェアフェスティバルでは、作品をご覧になった方がわざわざ訪ねていらっしゃり、作品を購入されていった経緯もありました。これからも食卓を鮮やかに彩る【名脇役】としての食器のラインナップの充実を図っていきます。

いかりや商店

当主:山田慎一氏

山田さんは、江戸時代から続く、大堀相馬焼窯元「錨屋窯 」13 代目当主です。被災したあと、2013年11月30日に、白河市大信に白河工房を開設し、和風総本家『スペシャル「夏の職人24時」』で伝統産業を支える職人として紹介されました。伝統的な品物から、現代風の作品まで、色々な商品を取り揃え、オーダーメイドのオリジナル商品にも対応しています。大堀相馬焼のこれからを見据え、原料の粘土に工夫を凝らし、また、大堀相馬焼窯元たちが作陶を続けることに前向きの感触を得られるよう、福島空港を会場に「合同せと市」を実現させました。震災前に浪江町で開いていた伝統の「大せとまつり」のようなにぎわいのある「せと市」を実現させることで、大堀相馬焼の復興へつなげたいと力をつくしています。

春山窯

当主:小野田利治氏

小野田さんは、大堀相馬焼窯元「春山窯」の13代目です。大堀相馬焼協同組合理事長を務める傍ら地域の皆様により親しんでいただけるよう出張陶芸教室を各地域で営むなど、復興に向けて日々取り組んでいます。被災したあと、いわき市内に仮設工房を設け制作と陶芸教室、組合のために日々奔走 していましたが、2017年6月に本宮市に活動の拠点を移し、400坪の敷地には新設された工房、古民家の趣とモダンさを融合させたギャラリーで心機一転、未来へのチャレンジを始めたばかりです。今後は新しい地域の皆様に愛される窯元を目指して日々創作に取り組んでいます。

半谷窯

当主:半谷貞辰氏 半谷菊枝氏

半谷さんは、江戸時代から300年以上続く窯元の流れをくむ【半谷窯】の16代目です。青ひび、走り駒、二重焼という伝統的な相馬焼のほか、奥様の菊枝さんとともに椿や野の花をモチーフにした新しい意匠の作品を作り上げました。2014年春に福島市で再開した現在の工房で、日々「大堀相馬焼の灯を消してはならない」との思いを持ち、奥様と二人、捜索を続けています。

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